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ハイキュー!!という名の救い

朝からなんだか気分がすぐれないとき、ありますよね。どうにも片付かない問題とか、ちょっとした失敗とかを妙に引きずって、やる気がでない…。そういうエネルギーをすみやかに解放するためのテクニックを習得したはずなのに(!?)おかしい。功を奏しない日があります。

そんなとき、最近のわたしは録画をON!

そう、『ハイキュー!!』です。知る人ぞ知る、バレー部の高校生たちを描いた人気漫画のアニメ版。途中から観てドハマりして、すでに1期は終わってしまったのですが録画を繰り返し見続けて、もうセリフを暗記するぐらい。遠くから音だけ聴いていても、胸が熱くなります。 

「…よしよし、よく頑張った。…ああ、辛いわね。…なんていい子なの!」

可愛くてしかたがありません。大好きなシーンを、声を、言葉を、表情を、思い出す幸せ。   

元気で、まっすぐで、ひたむきで、精いっぱい頑張っている…そんなひとりひとりが愛おしい。

現実世界でもろもろ失望する場面があっても「やっぱり人間っていいじゃないの。捨てたもんじゃないわ」という気持ちが復活します。

母性本能をくすぐられているのか? でも青少年のスポーツモノであればなんでもいいわけではないのですよ。テニプリの凄い技の応酬とか、黒子のイケメンたちの心理戦とかは、1〜2回視聴して「おおお」と感心しただけでした。でもハイキューは、あえて見ないつもりだったのにテレビをつけたら偶然やっていて、アバンというんですか、オープニング前のプロローグシーン1分20秒で見事に陥落!…大慌てで録画ボタンを押して正座で見ました。そして第10話まで進んでしまっていたことに、心底悔やんだものです。

惹かれたのは苦しい練習に耐え抜く描写とか、そういうスポ根的な要素ではなくて。たぶん、バレーを組み込んだなにげない日常が丁寧に描かれていることや、人間関係や心理に加えてそこに至るまでの過去の経緯が説得力を持っていること、でしょうか。原作を「登場人物のだれもに好感が持てていい漫画」と評した人がいました。とにかくみんな可愛くて、カッコ良くて、面白くて。そんな彼らが戦術を工夫したり、技術を磨いたり。積み重ねと瞬間のひらめきで見事に攻撃が決まったときの高揚感がたまりません。

わたし自身は勝負事やスポーツはまともな実体験すらないので、まったくの他人事だし、なにより画面の中のフィクションなのだけれど…自分のことのようにワクワクします。つまりは感情移入ですね。胸が熱くなって、元気が出る。

疑似体験でもいいじゃないか、と開き直っています。心理学でいう『アンカリング』みたいなもの。とても楽しいとき、なにかに成功して気分が良いとき、その感覚を自分の中に刻みつけて、ちょっとしたサインで思い出せるようにしておく手法です。落ち込んだときは、そのサインでいっきに上々の気分を甦らせることができます。

それも主人公だけ、そのチームだけを応援するのではなくて、対戦相手やライバルたちも個々のキャラクターと背景が描かれれば親近感が湧いて、そちらにもガンバレ!と言いたくなります。無理な話とわかっていても試合では両方とも勝たせたい。負けた側の悔しさ切なさもしっかり描かれて、勝者の数だけ敗者がいる現実を思い出させてくれます。それぞれの道のりが、貴重でいとおしい。

…まあ、そんなに高尚な話ではないのです。

ひとは結局、ごくシンプルでまっとうなメッセージに励まされたりするのかもしれません。

ただそれは、口先だけのものではなくて。

『言葉のチカラ』とよくいうけれど、なんの前置きも文脈もなく、いきなり投げかけられただけでインパクトを持つ言葉はめったにありません。その子のこれまでを知ったから…たとえば憧れた存在をめざして、恵まれない環境で努力と苦心を重ねた日々があって、とてつもなく悔しい思いをして、決意した心があって、出会った人々、交わした会話、刺激と発見と新たな工夫…そういったすべての土台が言葉に意味と重みを与えるのでしょう。

くりかえし観るほどに、考えながら観るほどに、重みが増すシーンもあれば、意味合いが変わってくるシーンもあって。いろんな思いで録画を何話も連続再生して、もう画面を見ていなくてもどのシーンかわかるくらいになりました(幼児のおやすみ前の絵本か・笑)

面倒だけど今日はここまで掃除を片付けておきたい、かったるいけれど1時間後には出かけなければならない、そんなときに飽きもせずノンストップ・パワープレイ。

いまだに新鮮で、楽しくて、愛おしくて…「よおし、わたしも!」と思わされるかぎり。

当分は「いざというときのハイキュー頼み」をさせてもらいます。


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