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”意外性”のフレッシュな風に吹かれて

  • 高橋 裕子
  • 2016年6月26日
  • 読了時間: 2分

翻訳生活は長いので、自分なりのスタイルができている。 でも状況・内容・著者の癖・難易度はいろいろだから、 予定は未定、ペース配分は毎回手探りだ。

今はウェイン・ダイアー氏のオンラインコースのテキスト、 要は電子書籍のようなものを訳している。 前半の追い込みにかかったところで、ちょっと余裕がない

何より引用文の裏付けをとったり、専門用語を調べたり リサーチ作業に入ると、もうのめり込んで時間を忘れてしまう。

今日だってブログがあるし、ほかにも雑用が待っているのに 頭が全然そちらに向かなくて、時間がどんどん過ぎていく。

ああ、もうダメだ。夕食はピザにしてしまおう! ネット注文して30分。 ピンポーンと玄関ベルが鳴って、ドアを開けたら

おじいさんのデリバリースタッフだった。

は? 愛想よく品物を渡してくれるのは キャップをかぶって首にタオルを巻いた、 浅黒くて精悍でスリムで長身、でもあきらかに初老の方だ。

あれはピザチェーンの制服でもなかった、と思う。 むしろ宅配便かネットスーパーの配達員によくいるタイプ。

ちょっと呆気にとられながら「暑いですね」と話しかけたら 「暑いねえ。このマンション、昔は野球選手の○○さんがいたでしょ」 「酒の配達をしたんだよ。筋肉がすごかったねえ」と普通に雑談。  嬉しくなって短い会話を楽しんだが…。

ドアを閉めたあと、また呆然とした。あれ?これは現実?

単に人手不足で、腕自慢/体力自慢の高齢者も ピーク時には積極的に雇うようになっただけなのか。

それにしても意外で、しかもマニュアルを完全にはずれた 人間的なやりとりをしたので、なんだか目が覚めたようになった。

ネットの世界にどっぷり入り込んでいたのが 引き戻されたというか。我に返ったというか。

あらためて外の明るい日差しや、柔らかい風の動きに気づく。 肩の力を抜いて、”今”に戻りなさいね」と言われた感じ。

サプライズはそんなに好きじゃないはずだったのに、 こういうのは悪くない。

でも、あの人はあれで大丈夫

 
 
 

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